SQ5 ベーシックコーチ
育成講座
〜 答えを「増やす・選ぶ・語る」プロセスで、軸を可視化する支援者へ 〜
0オリエンテーション
この講座のゴール
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軸の見える化
正解を教えるのではなく、相手の優先順位(軸)を30分で可視化できる。 -
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黙る技術の習得
クライアントの自己対話を邪魔せず、安全に待つことができる。 -
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4Dフレームの運用
問いの方向に迷わず、セッションを設計・コントロールできる。
⚠️ コーチの3大ルール
- 1. 安全・守秘: 何を話しても批判されない場を作る。
- 2. 評価しない: クライアントの回答に良し悪しを付けない。
- 3. 答えを奪わない: コーチが答えをまとめたり、誘導したりしない。
なぜSQ5なのか?(思想と価値)
一問一答では辿り着けない「深い本音」へアクセスする理論
一問一答の限界
通常の会話では、問いに対して「最初に出た答え」を正解として扱いがちです。しかし、最初の答えは周囲への配慮や既存の思考パターンの産物である可能性が高いのです。
5割仮説
クライアントが最初に出す答えは「5割の仮説」に過ぎません。5つ並べて、後から絞り込むプロセスで「やっぱりこれだ(再確認)」や「実はこっちか(気づき)」が自然に起きます。
2手法:SQ5を支える3つの装置
① 2分間の沈黙
コーチが黙ることで、クライアントは「外部への回答」から「内部への探索」に切り替わります。**黙ることこそが最大の支援**です。
- ・タイマーを動かし「場」を預ける
- ・コーチは穏やかな表情で待つ
② 5→3→1の選別
多くの候補(5つ)から選ぶことで、「なぜこれを選んだのか?」という自分なりの根拠が生まれます。
- ・○(重要)と☆(最重要)の明確化
- ・「選ばれなかったもの」も財産
③ キーワード運用
長文は思考を固定します。単語(キーワード)は、その後のストーリーを引き出すための「呼び水」になります。
- ・単語1語を推奨
- ・クライアント語(表現)をそのまま使う
4質問設計の基礎:何を問うべきか
① 設定質問(テーマを置く)
セッションの入り口となる、答えやすく広がりがある問い。
「最近、あなたがワクワクした瞬間を5つ教えてください」
② 深める質問(解像度を上げる)
☆に対して、具体性と細分化をもたらす問い。※内省ではなく具体化。
「それを実現するために欠かせない要素を、さらに分解すると?」
🛑 初心者が陥る「禁止の問い」
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✖
詰問: 「なぜできないんですか?」
→ 原因探しになり、防衛反応を呼ぶ。 -
✖
誘導: 「○○するのが正解だと思いませんか?」
→ コーチの正解に相手を当てはめてしまう。 -
✖
広げすぎ: 「人生で一番大切なことは?」
→ 抽象度が高すぎて、適当な答えが出てしまう。
5ストーリーを聴く(深掘りの技術)
場面化(シーンを聴く)
キーワードを「映像」に変換するプロセスです。
問いの例
- 「その時、あなたの周りには誰がいましたか?」
- 「どんな音が聞こえ、どんな景色が見えていましたか?」
- 「その瞬間の感覚を、色や形で表すと?」
輪郭化(意味を聴く)
キーワードの「手触り」をはっきりさせるプロセスです。
問いの例
- 「それがある時とない時では、何が一番違いますか?」
- 「そのキーワードにおいて、絶対に譲れない部分はどこですか?」
- 「それをもっと短く、別名で呼ぶとしたら?」
12実技とフィードバックの型
良かった点
具体的にどの言動が良かったか指摘する
その理由
それがクライアントにどんな影響を与えたか言語化する
次の一手
「もし次やるなら、どの問いを足すか?」を提案する
14現場導入:クライアントへの説明
🎙 導入30秒トーク(丸暗記推奨)
「今日は、あなたの『今一番大事にしたいこと』を整理するために、SQ5というワークを使います。質問に対して、深く考えすぎず、パッと思いついた単語を5つ書き出すだけの簡単なワークです。正解はないので、作文だと思わずにリラックスして取り組んでみてくださいね。準備はいいですか?」
抵抗が出た時の返し
- 「うまく書けません」
→「箇条書きでOKです。誰かに見せるものではないので、自分だけがわかれば大丈夫ですよ。」 - 「5つもありません」
→「似たような言葉が並んでも大丈夫です。5つ並べることに意味があるので、絞り出してみましょう。」
継続セッションのコツ
次回の冒頭で「前回の☆(星)を1週間意識してみて、何が起きましたか?」と振り返るだけで、セッションの連続性が生まれ、価値軸への信頼が高まります。
ひ孫へのメッセージ
ACA-Japanが最も重視する「究極の問い」です。
直接会うことができない存在へ、手紙を遺すという制約が、自分自身の「エゴ」を濾過し、純粋な価値軸(Value Compass)を浮かび上がらせます。
一つだけ生き方のヒントを遺すなら、何と言いますか?」
この答えは、その人の過去・現在・未来を繋ぐ最強の軸になります。
認定認定ベーシックコーチ 合格基準チェックリスト
2分間の沈黙の完遂
沈黙の時間を「間が持たない」と恐れず、支援の時間として預けられたか。
クライアント語の尊重
相手の言葉を言い換えず(パラフレーズせず)、そのままの響きで扱ったか。
深める質問(下:解像度)の実践
☆に対して「場面化」「輪郭化」を促す問いを最低2回投げたか。
進める質問(右:行動)の確定
「いつ、どこで、何を」というレベルまで具体的に落とし込んだか。